集合住宅における生活の質への要求がますます高まるなか、VISAHOは日々の小さなサービスから差別化を図ることを選択している。住民の声に耳を傾け、支援し、そして尊重する姿勢を大切にしながら、住空間の管理運営の過程全体を通じてサービスを提供している。
2026年1月初旬、The Matrix Oneマンションの多くの住民は、朝の出勤時に思いがけない光景を目にして驚いた。建物の管理運営を担うVISAHO株式会社の幹部がエントランスに立ち、住民一人ひとりにお辞儀をしながら自らドアを開けて迎えていたのである。
大げさな演出でも派手なアピールでもないその光景は、しかし多くの人々の足を止めさせ、「なぜ最も高い立場にある経営陣自らが、こうした一見ごく日常的な行動を行っているのか」という疑問を抱かせるには十分だった。

VISAHOにとって、プロジェクトを引き継いだ直後の段階で同社の幹部が住民にお辞儀をすることは、長年にわたり受け継がれてきたサービス文化の一部である。この行為は、住民への「初めまして」の挨拶であると同時に、住民から信頼を寄せて選ばれたことへの責任と奉仕の姿勢を示す約束でもある。そこには、顧客との関係を「謙虚さ」「敬意」、そして「常に奉仕する心」から始めるという同社の姿勢が表れている。
一見するとシンプルなその行動の背景には、日本特有のサービス文化の理念である「おもてなし」の哲学がある。相手を思いやり、心を尽くして応えること、そして顧客への配慮を自らの責任として捉える精神を重んじる考え方だ。VISAHOにおけるおもてなしは、日常生活のなかでのさまざまな住民対応にも表れている。コミュニケーションの取り方やサポートの姿勢、さらには管理チームが常に整った身だしなみと安定した体制で現場に立ち続けることなど、管理運営チームの随所にその精神が息づいている。

「おもてなし」の精神は、ベトナムで事業を展開する日本企業にとって決して珍しいものではない。特に小売、サービス、製造といった分野では広く知られている概念である。しかし、不動産の管理運営分野――サービス品質が長期的な時間の中で検証され、安定した運営が求められる領域――において、この理念を実務レベルで体系的に取り入れている企業はまだ多くないのが現状だ。
日本で70年以上にわたり不動産投資・管理の実績を持つサンケイビルグループの子会社であるVISAHOは、日本のサービス文化を高級マンションの管理運営に本格的に取り入れたベトナムでも数少ない先進企業の一つとされている。外面的なサービスの形だけでなく、運営の考え方から日々の管理プロセスに至るまで、日本式サービスの精神を反映させている。
VISAHOは、大きなスローガンや派手なメッセージで企業イメージを築くのではなく、静かな運営と細部へのこだわりを重視している。同社における日本型サービスの精神は、「Alpha+」モデルとして具体化されている。管理チームは単に住民からの要望に応えるだけでなく、言葉にされていない期待にも先回りして応えようとする姿勢を大切にしている。
例えば、警備スタッフが住民に傘を差しかけたり、重い荷物の運搬を手伝ったり、駐車場でレインコートをきれいにたたむのを手伝うといった行動が挙げられる。また、スタッフが常に整った制服と清潔感のある身だしなみを保ち、笑顔と親しみやすい態度で接することもその一環である。

こうした行動は必ずしも必須のサービス項目に含まれているわけではない。しかし、住民に「大切にされている」という安心感を与え、建物の印象をより良いものにし、結果として不動産の価値を長期的に高めることにもつながっている。
これと並行して、管理運営においては各部門の緊密な連携体制も確立されている。受付およびカスタマーサービスチームは、住民から寄せられる意見や要望を受け付け、一つひとつ丁寧にフォローする。技術部門は設備システムの安全かつ安定した運用を維持し、品質管理チームは各協力会社の業務を監督・調整しながら、清潔で快適な生活環境の維持に努めている。一方、財務・会計業務についても、透明性と明確性を重視して運営されている。
こうしたサービス精神は、受付や警備、技術スタッフといった現場の最前線のスタッフだけにとどまらない。VISAHOでは、会社の経営陣や本社の上級専門家も各プロジェクトの管理運営に密接に関わり、積極的に現場を支えている。こうした献身的で主体的な関わり方は、他社ではなかなか見られない特徴でもある。
実際、多くの場面で、VISAHOの日本人総経理であるShito Shinichiが出勤時に住民へ挨拶を行い、現場で直接業務指導を行う姿を目にすることができる。
経営トップ自らが現場に足を運ぶことで、問題の早期発見や運営方針の迅速な調整が可能となるだけでなく、管理チームと住民コミュニティとの結びつきも維持される。こうした点は、VISAHOが他の管理会社と一線を画す大きな特徴の一つといえる。

厳格な運営基準が求められる大規模不動産プロジェクトの多くが、VISAHOの日本式管理運営モデルを選択しているのは決して偶然ではない。例えば、A+グレードのオフィスビルである
Capital Place、Samsung R&D Center Vietnam、高級マンションの, Hoang Thanh Tower、The ZEI、Hoang Thanh Pearl、Green Diamond, などがその代表例である。
こうした選択は、現代の不動産管理に求められる資質について、顧客の間で共通した認識が形成されていることを示している。すなわち、日々の運営における着実さ、管理体制の透明性、そして「人」を中心に据えた運営姿勢である。

集合住宅が大都市における主要な居住形態となりつつある現在、管理運営会社の選択は、単なるサービスの選択にとどまらない。それはすなわち、どのような生活基準を選ぶのかという選択でもある。
謙虚さ、規律、そして継続的な奉仕の精神を重んじる日本文化は、現代の高級マンションに求められる価値観と高い親和性を持っている。
そしてVISAHOは、その役割の中で、こうした価値観をベトナムの都市生活へと取り入れる一端を担っている。始まりは、住民への一礼といった小さな行動かもしれない。しかし、その先に見据えているのは、長期的で持続可能な暮らしの質の実現である。